狐につままれたようなHDD

 しばらく前、Macのバックアップ用として使っていた2TBの外付けHDDが突然うんともすんとも言わなくなった。
 なにしろバックアップ用だから、重い映像データなども合わせて何でもかんでもここに放り込んでいた。
 バックアップなのだから、「壊れない」ような気分で使っていたのだと思う。

 それが突然壊れたのだから、シャレにならない。メインマシンを軽くするためにいったんバックアップHDDへと移していたデータは、もう永遠に戻ってこないことになる。

 オモテには一切ネジなどないデザイン重視のHDDだったので、分解の仕方がまったくわからなくてお手上げだった。
 しかし世の中はよくしたもので、同じ悩みを抱えた先人が必ずいるものだ。
 ネットで調べると、同じ型のHDDを分解するのに苦労した話が詳細に出ていた(まことにありがたいことで)。

 それでやっと分解に成功してチェックしてみたところ、電源部分の不良ではないかという結論に達した。ブルーのLEDが点灯しなくなっているし、回転音もまったくしないから。
 電源、といっても半導体の部分が壊れたのならお手上げだが、よくありがちな故障を想定し、コンデンサのパンクではないかと当たりをつけた。それ以外は滅多に故障するものではない。
 電子パーツ屋まで出かけて同型のコンデンサを購入。電子工作で新品に交換した。

 が、結果は☓。うんともすんとも言わない。
 普通ならそこで諦めるところだが、記録されているデータのことを考えるとこのまま終えるにはしのびない。
 別の電源をつないで動かしてみることを考えた(あくまで電源の故障であろうとの想定のもとで)。
 つまり、外付けHDDをいったんバラして内蔵用と同じ状態にし、内蔵HDDを外付けに変える機器で外付けHDDとして動かしてみようという作戦である(自分で言いながらこんがらがりそう)。

 その結果、HDDは見事に動いて、認識できるようになった(そこに行くまでの悪戦苦闘は一切略す)。
 ただ、ディスクユーティリティを使って検査してみると、チェックが最後まで完了しなかったり、「マウントできません」という表示が出たり、何だか不安定。
 そこでまずは動いているうちに必要なデータを別のHDDに移そうと、重要なものから順にコピーした。
 もちろん2TBのデータを全部移せるHDDは他には持っていない。
 新しいHDDを買おうと決断して、買いに行く。その間に(1,2時間かかりそうなので)、このHDDには修復をかけておいた。

 HDDの現在の相場を調べる。4TBで11000〜12000くらい。3TBだと9000台である。これにしようと決めた。
 チャリンコで20分ほど走ったところにパソコン部品を売っている店がある。そこで物色。
 自作パソコン部品の多い店であるせいか、外付けHDDは2.5インチのものしか置いてない。ありゃ〜と思ったが、内蔵HDDなら3TBで6000円台である。そうか、これで行ってやろう!
 内蔵を外付けとして使う機器を持っているのだから、それを使えばいい。少々格好悪いところは目をつぶろう。

 ということでそれを買って家に戻り、旧HDDの修復結果を見ると、なんと「異常はないようです」とディスクユーティリティさんはおっしゃっている。
 ならば、買ってきた3TBのHDDを取り付けて作業をする前に、旧HDDをもう一度つないでみようと、もとの電源部品をとりつけ、当初の形にして外付けとして取り付けてみた。

 青いLEDが煌々と灯り、何事もなかったように正常に動いている!!
 電源が悪いのではなかった。

 何らかの内部的な原因でアクセスができなくなっていただけなのだろうか。「修復」によって直ってしまったのだろうか。
 全く不明だが、HDDの再稼働ならおめでとうといいたい(原発は廃炉)。

 私の身の置き場はどこ?とうろうろしている3TBのHDDはどうするか。
 一応安全のために、バックアップのさらにバックアップとして動くようにしようかと思案しているところである。

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