中程の文章にご注目いただきたい。
「堅くご遠慮申し上げます」とある。
普通遠慮というのは「そっと」するもので、「堅く」主張したり宣言したりするものではない。
何といえばいいのかなぁと思案していたら、かたえの言葉を生業とする友人がこういった。「堅くご辞退申し上げます」だろう、と。
確かにそれが正解だ。このポスターの作成者は、きっと「堅く」と強い言葉を使ったことに自ら躊躇して、柔らかく「遠慮」とトーンを下げたのだろう。その心遣いには感心するが、全体の文言の散漫さには寒心しなければならない。
他の部分の文章についても、イチャモンをつけようとすればいくらでもつけられる。例えば「平等、公正にすることを第一」なら、治療は第二なのか? とか。
待ち時間のあまりの長さに、こんなツッコミばかり考えてしまったのであった。
(撮影地:神奈川県相模原市)
了