駐輪場看板の、この鮮やかな同語反復をどう評価すべきだろうか。
「利用できます」のところは時には別のカバーが覆うことになっていて、その場合には「利用できません」となる。
「利用できます」と「利用できません」を切り替えるアイデアはよかったのだが、頭に「一時利用」を持ってきたために煩くなってしまった。
むしろ「できます」「できません」の2つにすればよかったのだが、「一時利用はただいまできます」としたときの愛想なさに、担当者は深く悩んだのである。
かといって、「ただいま一時利用できます」とすると、「一時、利用できます」と読まれて、この駐輪場が臨時に営業しているかのように誤解される恐れがある。表現を変えて「ただいま一時利用は可能です」とすれば、反対語は「不可能です」となり、これもまた堅苦しい。
悩み苦しんだ末、担当者はままよと、同語反復の道を選んだのであった。しかし未だ、駐輪場への道はイバラの道である。
(撮影地:東京都中野区)