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何に間違えられた?

ネットで見かける、サプリメントのCMである。

《えっ、私より年下でしょ? 最近30代の人に間違えられました。(45歳 女性)》

最初、「30代に間違えられた」という意味だと勘違いしていた。

ある人から指摘があって、「30代の人に、自分より年下だと間違えられた」という意味だということがわかった。

つまり、「30代の人に間違えられました」は「30代の人から間違えられました」とすべきだということだ。

助詞の「に」のあいまいさが産み出したあいまい文。製品よりも広報に力を入れているSuntoryらしくない、下手な宣伝だ。

「の」の意味

おなじみの珈琲用クリームだ。

意味の分からなさもおなじみ。

というのは、キャッチコピーの「褐色の恋人」。

「褐色の」を普通に修飾語として読めば、被修飾語が褐色であるという意味に取れる。つまり恋人が褐色であるということで、「茶色い恋人」ということに。

ところが、このコピーが言いたいのはそうではなくて、褐色とは珈琲のことを表わしている。つまり褐色である珈琲の恋人、褐色に対する恋人、という意味だ。

最初から「珈琲の恋人」と言っておけば紛らわしくないのに、変に詩的ぶってコピーを作ったために曖昧文になってしまった。

珈琲と限定したくなかったのだろうか。紅茶にも使えるから「褐色の」としたのか。

だったらほうじ茶やゲンノショウコにも合うのだろうか?

切れる条例

エンジンを切るのは車のキーによるのじゃないのか、条例ってやつを回すと切ることができるのか‥‥なんて意地悪な見方をしてはいけない。

「〜により○○をする」という場合の「より」には、主に原因・手段と理由・拠り所の2つの意味があるけれど、もちろんこの場合は後者と捉えなければならない。

こんな風に曖昧になったのは、言葉をはしょりすぎたからだろう。何とか短い言葉でわからせようとしたその労は多とするが、詰めが甘かった。

(撮影地:神奈川県相模原市)


わかる

文章としては必要な情報が欠けていて正しくないのだけれど、でも意味はちゃんと通じるという言葉がある。

これもそのひとつか。

まさか「飲酒運転」という人が店に入ってくるわけではなかろう。「飲酒運転をする人」「飲酒運転をしがちな人」とでもすれば正しいか。しかし文章は長く、理屈っぽくなる。

その点、この「飲酒運転 入店お断り」は潔く、伝達力がある。

(撮影地:神奈川県相模原市)

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表示義務

土用の丑の日、近鉄百貨店のデパ地下(正しくはデパ1F)で買ったうな重についていた山椒粉。袋にはこうある。

     <表示義務のある添加物は使用していません

何とも大胆、かつ正直な表示であることか。

「添加物は使用していません」と書くと、実は使っているためにウソになる。

かといって、表示義務もないのにわざわざ「○○を使っています」などと書く必要もなく、また、よけいなことを書けば消費者からにらまれる。

そこで上記のようになった‥‥のではないかとたんけん隊は推測している。

ただ、「○○使用していない」との表記は、当然「○○以外使用している」を含意する。

だからこそ「大胆、かつ正直」とたんけん隊は感心したのであった。

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