おもしろ日本語」カテゴリーアーカイブ

これから日本を背負う人のための国語試験

 問題

次の短文にある、○の部分に適切な漢字を入れなさい

1.すべて国民は、○権を尊重しなければならない

2.政治の基本にあるのは○権である

3.政党は○権の擁護を目指して設立される

4.○権は国民の命より重要である

     ・

     ・

     ・

     ・

     ・

     ・

 解答

 すべての○の中に入る漢字は、

である。

 

問題制作:自由民主党安倍信者会

誰がめいわく駐車をするのか

 一見さりげなく立っていて、どこにでもよく見かける看板。

 しかしこれほど不思議な看板はない。

 「駐車をしないでください」ならわかる。

 「違法駐車をしないでください」「不法駐車をしないでください」もわかる。法律で決まっていることだから、という明確な理由があるから。

 しかしこの「めいわく駐車」はわからない。 続きを読む

「この空を飛べたら」は翻訳ソフトで訳せるか?

 最近翻訳に関してなるほどと思った事例。

 知人が書いていた英文にイチャモンをつけた。
 If I can fly this sky.とあった。中島みゆきの名曲、「この空を飛べたら」を翻訳ソフトにかけた結果だという。
 ははぁ、なるほどね。それらしい訳になっている。
 感心したのは、原文には主語がないのに、訳文にはちゃんと I が入っている。一昔前の翻訳ソフトならこういう芸当はできなかっただろう。「もし私がこの空を飛べたら」と書いてやらないと翻訳してくれなかったのではないだろうか。

続きを読む

どこかおかしい?

 特にどうってことのない立て看板。

 よーく見ると、ちょっと変ではないかなという気もします。

 「20km/h以内で通行」

 この場合、「以内」でよいのでしょうか。

 校正を生業にしている人に話を聞くと、「変だなと思ったら逆を考えてみる」のだそうです。
 逆、つまり「20km/h以内」の逆だから、「20km/h以外」ですね。すると、やはりこれはヘンだとわかります。そんな言い方は普通しませんから。 続きを読む

「も」のもんだい

 駅から雨にも濡れずに買い物ができる。なるほど、客にとっては便利だ。で、それで?
 「雨にも」の「も」って何だろう。「も」というぐらいだから、雨以外にも何かあるはずだ。何が言いたいのだろう。
 雪か。しかしこの店は東京にある。そうそう雪に降られることもなく、あえて雪を例に挙げる必要もなさそうだ。

 この看板を手がけた広報担当者は、ひょっとすると「雨に濡れずに」と最初は作ったのかもしれない。しかしその文言にいささかインパクトの不足を感じたのではなかろうか。つまりそれだけではこの店の立地の優位性を強調することができない、と。
 本当なら、「雨にも濡れず、ヤリにも濡れず」くらいの衝撃的なキャッチコピーを考えていたとも考えられる。しかし「ヲイヲイ、そりゃないだろう」と上司にクレームをつけられ、おとなしく引っ込めたのかもしれない。だが担当としては意地がある。せめて「も」だけでも残そうではないかと、密かに画策した、というわけなのである。

 何かを強調したいという情動だけがあって具体的手段がないとき、人はつい、余計な言葉を口走ってしまう。この文章はその典型例だということができよう。

(撮影地:東京都町田市)